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2023年7月23日

数年前まではイギリスのいいドラマが結構放映されていて喜んでいたのだが、イギリスがEU脱退となった時から新しいシリーズが入らなくなった。古いドラマがリピートされることもなくなって、至極残念に思っているこの頃だ。

Silent WitnessやMorse, Endeavor, Veraなど(全部刑事ドラマ。笑)ドラマの中で話される英語が全部分かるわけではないので、ポルトガル語字幕を読むのだが、これが訳の字幕が長いのだ。それで、読み切らないうちに場面が変わってしまうことが往々にしてある。

イギリスドラマの代わりにフランス語やドイツ語の刑事ドラマが多く放映されるようになったのだが、そっちの言語はさっぱり分からないので、ポルトガル語字幕に必然的に頼るのである。

が、上で言及したようにポルトガル語字幕が長すぎて話がよく分からない。そんなわけで、近頃は晩御飯の後片付け後、テレビを見ることも少なくなった。10時半、早い時に9時半に寝床につくこともある。「おい、まだ9時半だよ」と夫に呆れられる始末である。なぁに、床につくといってもすぐ寝入るわけではない。本を読むのである。

こんなテレビの話を我がモイケル娘としていて、日本の映画字幕ってすごいよね、の話に及んだ。モイケル娘は、院卒後、色々参考になるからとて一時期東京の小さな翻訳会社に勤めたいたことがある。現在も翻訳会社ではないがメールで海外の会社とのやりとりや、その会社とオンライン会議上で通訳の仕事もしているのだが、「大変だぁ」と言いながらも勉強になると前向きである。

さて、翻訳の難しさについて彼女とやりとりした時の事、娘曰く「翻訳の仕事は、言葉のセンスと専門性が問われる割には評価されないのが残念だ」と言う。

そうだよね。風と共に去りぬのスカーレット・オハラの最後のセリフ、「Tomorrow is another day」を「明日は明日の風が吹く」なんて訳した人、すごいと思うとわたしが言えば、モイケル娘、
「あれも好きだよ。月がきれいですね。」
「なんだ、そりゃ?」
「夏目漱石がI love you を日本語で愛してるって訳すのはしっくり来ないと言ってそう訳したんだそうだ」
「なんだそりゃ?」と再びわたし(笑)「I love you と月がきれいですね、とどういう関係があるちゅうのよ?」と、はてな?のわたしに娘いわく、「日本人なりの遠まわしな告白なんじゃない?」

がーーーんと一発頭をぶたれた気がした。モイケルよ、そなた、いつの間に日本人というものを、いや、古き善き時代の日本人の気持ちを汲み取れるようになったとかや?おっかさんのほうが、今ではむしろ、そういう見解から離れてしまったように思われて参ったものだ。

映画の字幕翻訳については、50年以上にわたりハリウッド映画の字幕翻訳を担ってきた戸田奈津子氏が、86歳になったの機に訳者を引退するとのニュースを目にしたのが昨年2022年。

邦画字幕は字数が限られているのだそうで、始めの20年は苦労したそうである。それはそうだろう。次々とシーンが変わる映画のなかで、長々と直訳するわけにはいかないのである。その場面に合った短い、更に主人公のセリフであればカッコいいものに、としたいだろうから、直訳はダメ、ある程度の意訳が必要となるだろう。戸田奈津子氏のことに少し興味をもって検索してみると、うひゃ~、すごい!

地獄の黙示録、ET、バック・トゥ・ザ・フューチャー、ダンス・ウィズ・ウルブズ、シンドラーのリスト、セブン・イヤーズ・イン・チベット、評決のとき、タイタニック、スター・ウォーズ、ハリー・ポッター、ロード・オブ・ザ・リング、トップガン マーヴェリック、等々、たくさんある。

ここにあげたのはわたしがみている作品だが、残念ながら全てポルトガルで見たので字幕はポルトガル語訳である。更にプロフィールを探ると、戸田奈津子氏は若い時、なんと、前回のブログでわたしが名をあげた翻訳者「清水俊二」に弟子入りをお願いしたのだそうだ!清水氏は弟子をとらなかったものの、彼から戸田奈津子氏は、映画の字幕は1秒間に3、4文字、1行に10文字を2行まで、と字幕のイロハを授けてもらったと語っている。

彼女は高校時代に見た映画「第三の男」の中の「I shouldn’t drink it. It makes me acid.」のセリフで、直訳は「これ(酒)を飲んではいけない。これは私を不機嫌にするから」となるのなを、「今夜の酒は荒れそうだ」と訳されていたセンスに感動し、字幕翻訳者の道に進んだのだそうだ。

清水俊二氏と戸田奈津子氏のつながりをもうひとつ知った。1988年5月22日、食道癌のため亡くなった清水俊二氏は亡くなる前日までレイモンド・チャンドラーの「高い窓」の翻訳に取り組んでいたそうだが、未完のまま残された。その後の翻訳を戸田奈津子氏が引き継いで完成させたと言う。

かつて読んだ本だが再読してみようとわたしはモイケル娘に注文してもらった。いったいどのあたりからが戸田奈津子氏の翻訳になるのか、わたしごときが果たして見つけられるだろうかと少しワクワクしながら読んでいる。

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